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Channel: かわめのラノベ
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お知らせ。小説のタイトルが決まりました。【怪事変】

始めましての方も、そうで無い方は改めまして。そもそもコイツは何処の馬の骨なのだと思っている方も含めまして。ご挨拶させて頂きます。私、茶菓松かわめと申します。4t4と言う名で細々とニコニコ内で音楽活動もしています。そして、突然なのですが、音楽活動は一旦休止して小説のマネゴトを始めようと思い。ここに、ご挨拶する次第で御座います。ですが、休止と言っても、まだ作りかけの作品等もあるので、それらを全て発表し終...

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【怪事変】深海巨構【その1】

世界の裏で嵐が鳴くされど姿は何処にも無くされど声は誰にも届かず雷鳴輝き空は泣く雨は紅く血潮の如く渦は黒く深きを望む風は絶えず暴れ轟くいつしか枯れ果て黙して孤独海の底で光亡く海の底で闇と哭く深海巨構【しんかいきょこう】 *0 ――それは異臭としか思えなかった。 ――と言うかそのものだった。...

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【怪事変】深海巨構【その2】

 *1 それは、とても……とても……暑い……暑い…………。 ――と言うか暑すぎるだろ! 少しは設定温度を下げろよ地球! 僕の事を殺すきか? そんな、とても暑い夏休み初日の出来事だった――  ――まさか……連続で十二回も面接に落ちるなんて……これは真夏の空から降る青天の霹靂(へきれき)ならぬ晴天に辟易(へきえき)だ。 もう、面接何て言葉は聞きたく無い。...

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【怪事変】深海巨構【その3】

 僕はトボトボと自転車で家路に向かう帰り道の途中で、自己主張の強そうな、いかにもセレブ御用達の風な、前面ガラス張りの高級レストランを見つけガラスに映る自分を眺めた……。 ――別に、ナルシストと言うことでは無く、自分の服装を再確認するためだ。 うだるような暑さの中で、ご丁寧なまでに首もとまでネクタイを締め、おまけに真夏だと言うのに学生服のブレザーまで着用し、着崩は一切していない。...

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『小説・怪事変』の【キャッチコピー】と【ストーリー】

怪事変キャッチコピー フィクションは、現実よりも「真実」だ! 【ストーリー】 高校生・九条鏡佑は、夏休み目前に部屋の冷房が壊れ、泣く泣く新しい冷房代を稼ぐため短期アルバイト面接の日々を送っていたが、不採用の連続で頭を抱えていたところ家の近所にある骨董品店の求人広告を発見する。 興味本位と軽い気持ちで面接を決意した瞬間から、彼の日常と常識は崩れ落ち、怪しく妖しい現実に呑み込まれる。...

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【怪事変】深海巨構【その4】

 冷房への、飽くなき熱い執念と揺るぎない決意と決心を固め、肌身に冷気が心地よく染み渡る、冷房聖地なる店内に足を踏み入れ、僕の目の前に広がった景色は真っ白い雪国―― ――では無くて。 頭の中が真っ白くなるほどに、ひどく乱雑された空間が――そこにはあった。 と言うか、ただの大きな汚い物置小屋である。 これを店と呼んでいいのか僕には分からないが、率直な感想をのべよう。 ゴミ屋敷である。...

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【怪事変】深海巨構【その5】

 *5 僕は改めて、ゴミ――ではなく、店内の商品を見渡す。 骨董品の知識なんて皆無なのに、骨董品店での面接だ。少しでも気の利いた受け答えが出来るようにしなければ。そう思い、それとなくキョロキョロと店内を見る。 だが、よく考えてみれば面接なんて物の数十分、ともすれば数分で終わる場合もある。...

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【怪事変】深海巨構【その6】

 グゥゥゥゥ――  グゥゥゥゥゥゥゥ――――   グゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ――――――! まずいぞ……どんどん腹の虫の音が大きくなる……店内で、椅子に座っているだけだから、余計に空腹の方に意識が行ってしまうぞ! なにか、他のことでもして空腹感を忘れないと。 僕は店内を見たが、まるでゴミ置き場に捨てられ、悲しく佇(たたず)むような骨董品をながめても、空腹感など忘れられるわけもない。...

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【怪事変】深海巨構【その7】

 五分――  四分――――   三分――――――    二分――――――――     一分―――――――――― いよっし! 十八時だ! 僕はそそくさと荷物をまとめて、店の鍵を持ち店内から出た。 臥龍からはまだ、今日の分の日払い給料を貰ってはいないけれど、明日の朝にでも店に寄って貰えばいい。とにかく、家に早く帰って食事をしないと空腹で倒れてしまう。...

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【怪事変】深海巨構【その8】

 *6 「熱っちいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」 ドザッ! ベッドから落ちた。 「痛ってえっ!」 熱湯に入り、熱さで苦しむ夢を見て、蒸し風呂のように暑い自室の中で、僕は飛び起き、ベッドから落ちた。 熱湯に入って死にかけた夢だ。 石川五右衛門よろしく、釜(かま)ゆでの刑である。 断片的にしか覚えてはいないが、そもそも、夢などは断片的なものなのだが。...

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【怪事変】深海巨構【零之怪・その9】

 *7 はるばる来たぜ沖縄! めんそ〜れ! ――まあ、沖縄に到着する前にも色々あったのだが。 その色々は全て臥龍の自慢話である。 と言うか、誇大妄想である。 タクシーの中で……空港の中で……飛行機の中で……。 自分はソクラテスの生まれ変わり。 だとか―― 自分がエジソンよりも早く産まれていたら、先に電球を発明していたのは自分だった。 だとか――...

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【怪事変】深海巨構【零之怪・その10】

 ⁂8 太陽の輝きに躍る海の波は水晶のように透明で、かろやかに肌をなでる潮風は、真夏と言えど、さわやかにさえ思えるほどクルーザーを包み込んでいた。 時刻は昼と夕方の間。...

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【怪事変】深海巨構【零之怪・その11】

 *9 「うわああああああああ! 海に落ちるうううううううう!」 僕の目の前で急に空が暗くなったと思ったら、大嵐になった。 今日の朝、家から出かける前に台風のニュースなんてやっていなかったのに――いや、それよりも、空が夜みたいに暗くなる前の大きな音は……あれは、なにかの声だったのか、それとも強風が声のように聞こえたのだろうか……。...

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【怪事変】深海巨構【零之怪・その12】

 *10 灯りがある邸宅の前まで、やっと辿りついた僕たちの目の前の扉(とびら)は、異様なほどに大きな扉だった。 三メートル――いや、四メートルはあるかもしれない。それほど大きな扉で、おまけに扉の前にはインターホンは無く、変わりに獅子ではなく蛇の形をした、大きなノッカーが付いていた。 まるで、西洋のお屋敷の扉に付いているノッカーと言った感じ――しかも蛇だから、とても不気味だ。...

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【怪事変】深海巨構【零之怪・その13】

 *11  部屋の扉を開けて中に入ると、天上に、今にも灯りが消えてしまいそうな、心細い小さな電球が一つだけある薄暗い部屋で、もう何年も掃除をしていないよう な、埃(ほこり)まみれのベッドが二つ、部屋の隅に並んでいて、部屋全体も人の出入りが何年も無かったような埃と黴(かび)臭い、汚い部屋だった。 部屋の床は木で出来ていて、歩く度にみしみしと底が抜けてしまいそうな音が鳴った。...

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【怪事変】深海巨構【零之怪・その14】

 *12 一刻ほど過ぎただろうか。 その間に、鳴り響き続けた雷の音は、ずっと僕の鼓膜に張り付いてリピートしている。 「ぐががががががががぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 …………。 そして、臥龍のうるさいイビキも。 疲れているはずなのに、妙な胸のざわめきで、いっこうに眠れる気配がしない。 横に、こんなうるさいイビキで寝ているおっさんが居たら、疲れていても眠れないと思うけれども。...

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【怪事変】深海巨構【零之怪・その15】

 *13 「────きろ────じょう──」 ──ん? 「おい──きろ──じょうくん」 ──なんだ? と言うかこの生臭(なまぐさ)い臭いはなんだ? 「おい。起きろ九条(くじょう)君」 この声は──臥龍(がりょう)の声だ。 やれやれ、僕は寝ていたみたいだ。 瞳もまだ半分以上開かない状態のまま、眠気まなこで僕は臥龍に挨拶をした。 「おはようございます」 「ああ、おはよう──じゃない!...

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【怪事変】深海巨構【零之怪・その16】

 *14 ゾンビ。 生ける死体。 生きた人間や死体の肉と血を喰らう屍食鬼(ししょくき)。 ボロボロに破れた衣服で街を練り歩き、ただひたすらに飢えを貪(むさぼ)る怪物。 時には共食いもする。いや、そもそもゾンビ同士に仲間意識があるのかどうかは分からないけれども。 最近では走るゾンビや兵隊のゾンビなども映画やアニメに登場する。 以上が僕の乏(とぼ)しいゾンビ知識である。...

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【怪事変】深海巨構【零之怪・その17】

 ⁂15 深更(しんこう)は半宵(はんしょう)を過ぎ、下界は嵐が去り──静まりかえった月が、深く黒に包まれた夜の衣(ころも)を照らしている。 妖(あや)しくも人心(じんしん)を魅了してしまいそうな程に皓皓(こうこう)とした月の光は、教会の扉から差し込んでいた。 本来なら、それは神々しい光景であったのだろう──...

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【怪事変】深海巨構【零之怪・その18】

 *16 夢でも見ているのだろうか……。 頭が混乱して、パンクしてしまいそうだ。 こんなグロテスクな光景なんて見たことないぞ。 逆に見たことがある人もいないと思うが……。 と言うか──録画して動画サイトに投稿しなくて正解だった。 きっと、投稿なんてしたら僕は神では無く、残酷な人非人(にんぴにん)扱いをされていたに違いない。 うん、テンションだけで録画して投稿しなくて本当に良かった。...

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